農林水産省によると、野生鳥獣による農作物被害は、平成29年度 約164億円で、ここ数年、被害額は減少しているとはいえ、以前高い水準にあります。何より害獣被害は、営農意欲の減退となり、数字以上に深刻な影響を及ぼしています。
私たち明日香村稲渕の棚田においても、この数年、害獣中でもイノシシやシカによるお米への被害が広がり、昨年はオーナーさんの田んぼに非常に大きな被害が出て、23年続けてきた棚田オーナー制度最大の危機に見舞われました。しかし、今年も多くのオーナーの皆さんから「棚田を守りたい」という熱いお気持ちが多く寄せられ、稲作を続けることが出来ています。しかし、田植えからひと月を経て、徐々にイノシシやシカの姿が見られるようになり、一部の空き田んぼでは、ヌタ場(イノシシやシカなどの動物が、体表に付いているダニなどの寄生虫や汚れを落とすために泥を浴びる場所)が散見され、イノシシ、シカ対策が急務となりました。
NPO法人明日香の未来を創る会では、数年前からイノシシ、シカ対策として「電柵」の設置をして来ましたが、昨年は、その対策をあざ笑うかのように荒らされてしまいました。
対策の一層の強化をしたいのですが、棚田百選に選ばれ、平成23年には国の重要文化的景観にも選定された稲渕棚田の景観と対策とのジレンマに悩んで来ました。
稲渕棚田は棚田オーナー制度を継続させることで守って来れました。
オーナーさんが楽しくお米作りを継続して頂くことなくして、棚田の保全はありません。
そこで苦渋の決断を致しました。
それは、トタン板などで田んぼを囲む対策です。
つまり、トタン板などによって、イノシシや他の獣の視覚を遮ることで、お米(=餌)を見えなくする作戦です。
写真の事例でもおわかり頂けるように棚田の景観は非常に損なわれることは事実です。
しかし、大切な棚田に、イノシシを近寄らせない対策として、皆さまのご理解を頂きたいと思います。
その上で、これをお読みの皆さまにお願いしたいことがあります。
それは、私たちは、イノシシ、シカ対策用の「トタン板」を数百枚規模で必要としています。古いものや、錆びたものでも破れていない限り使いたいと思いますので、これをお読み下さった方々の中で、無償でご提供頂ける方は、下記メールアドレスにご連絡をお願い致します。その上で、当法人が引き取りが可能な場所なのかどうかや、ご提供頂ける枚数等を考慮して引き取り方法を検討して、改めてこちらからご連絡を致します。
どうか皆さまのご協力をよろしくお願い致します。
Email:asukamirai@gmail.com
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